跡を留む(読み)あとをとどむ

精選版 日本国語大辞典 「跡を留む」の意味・読み・例文・類語

あと【跡】 を 留(とど・と)

① この世に生き長らえる。
源氏(1001‐14頃)総角「いひ知らず、憎くうとましきものに、おぼしなすめれば、きこえむ方なし。いとど、世にあととむべくなむおぼえぬ」
平家(13C前)三「げに心あらむ程の人の、跡をとどむべき世ともみえず」
② 以前あったままに残しておく。痕跡を残す。
方丈記(1212)「つひにあととむる事を得ず、三十あまりにして、更にわが心と、一の菴(いほり)をむすぶ」
③ ある場所にとどまる。逗留する。すみつく。
※天草本平家(1592)読誦の人に対して書す「Padre Irman コキャウヲ サッテ〈略〉ソクサン ヘンヂノ フサウニ atouo(アトヲ) todome(トドメ) テンノ ミノリヲ ヒロメ

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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