(読み)きょ(英語表記)spur

翻訳|spur

精選版 日本国語大辞典 「距」の意味・読み・例文・類語

きょ【距】

〘名〙
植物花冠や萼(がく)基部から、細長く袋状に突き出ている部分内部蜜腺をもつものが多く虫媒関係する。スミレの花冠、ヒエンソウの萼などにみられる。

あご【距】

〘名〙 (「あごえ」の変化した語) 鶏または雉(きじ)蹴爪(けづめ)
※玉塵抄(1563)一八「雞あわせをするに、はねによろいをしてきせ、あこにかねをしてきせたことなり〈略〉けやうときにあごが羽にあたりて羽がそこぬるぞ」

あ‐ごえ【距】

〘名〙 鶏などの蹴爪(けづめ)
書紀(720)雄略七年八月(前田本訓)「大(おほ)きなる雄鶏を以て、呼びて己が鶏と為て、鈴、金の距(アコエ)を着けて、競ひて闘は令む」

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デジタル大辞泉 「距」の意味・読み・例文・類語

きょ【距】[漢字項目]

常用漢字] [音]キョ(漢) [訓]へだたる へだてる けづめ
一方から一方まで間が大きくあくこと。へだたり。「距離測距儀
鶏などのけづめ。「距爪きょそう

きょ【距】

植物の花びらがくの付け根にある突起部分。内部に蜜腺みつせんをもつ。スミレの花びら、ヒエンソウの萼などにみられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「距」の意味・わかりやすい解説


けづめ
spur

キジ目の雄の鳥のすね (解剖学的には 跗蹠骨の部分) のうしろ側に生じる突起。骨からの鋭い突起に角質の鞘がかぶさっているものであり,爪ではない。また昆虫脛節末端に生じている突起も,距 (きょ) またはけづめと呼ぶ。鳥では,1本の脚について距は1個であるが,昆虫では1対あるいは2対ずつ存在する。


きょ
spur

花の萼や花冠の基部近くから突出した部分。たとえばスミレ,ノウゼンハレンランなどにみられ,通常その内部に蜜腺があり,虫媒と関係がある。


きょ
spur

昆虫の肢の脛節末端にある突起で,「けづめ」ともいう。

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