足結・脚結(読み)あゆい

精選版 日本国語大辞典 「足結・脚結」の意味・読み・例文・類語

あ‐ゆい ‥ゆひ【足結・脚結】

〘名〙
上代の男子の服飾の一つ。武装したり、旅行、労働などの際、動作しやすいように、太い袴をひざの下辺りで袴の上から結ぶ紐。鈴、玉などを紐につけることもある。あしゆい。あよい。⇔手結(たゆ)い
古事記(712)下・歌謡「宮人の 阿由比(アユヒ)の小鈴(こすず) 落ちにきと 宮人響(とよ)む 里人もゆめ」
万葉(8C後)一七・四〇〇八「若草の 安由比(アユヒ)手装(たづく)り 群鳥(むらとり)の 朝立ち去なば」
② (脚結) 江戸後期の国学者富士谷成章(なりあきら)が、その著「あゆひ抄」で分類した品詞の一つ。今日の助詞助動詞などに相当するもの。
※あゆひ抄(1773)おほむね「挿頭(かざし)、脚結(あゆひ)をもてことばをたすく」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android