足入(読み)あしいり

精選版 日本国語大辞典 「足入」の意味・読み・例文・類語

あし‐いり【足入】

〘名〙
① ぬかるみ。泥沼。また、苦境日葡辞書(1603‐04))。
信長公記(1598)首「信長御覧じて、中嶋へ御移り候はんと候つるを、脇は深田の足入」
船体の、水に入る部分、すなわち、喫水に相当する。あし
※舟楫元始(1831‐40頃)「別府造は〈略〉舟足弱く、強き風波にはのりにくく、荷を積んでは足入深く」
③ (形動) 転じて、舟の喫水の深いこと。また、そのさま。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・毛吹草(1638)六「月の舟やあし入となす雲の波〈道二〉」

あし‐いれ【足入】

〘名〙 簡素な婚姻成立祝いをしただけで嫁が婿方に身柄を移すこと。婚姻形式上、婿入り婚から嫁入り婚への過渡期におこった方式で、嫁の身分はまだ嫁方に属し、昼は実家で働き、夜だけ婚家ですごす者もある。敷居越し
※雑俳・柳多留‐五九(1812)「足入と名付手入をさせに行」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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