趙基天(読み)ちょうきてん(英語表記)Cho Ki-ch`ǒn

改訂新版 世界大百科事典 「趙基天」の意味・わかりやすい解説

趙基天 (ちょうきてん)
Cho Ki-ch`ǒn
生没年:1913-51

朝鮮詩人。咸鏡北道出身。幼少時,父とシベリアに渡り,オムスクのゴーリキー師範大学露文科を卒業。17歳で地方新聞《先鋒》に短詩を発表した。中央アジアのシル・オルタ朝鮮師範大で教育にあたったが,1945年8月ソ連赤軍の一兵士として祖国解放の戦闘に加わった。解放後精力的に詩を書き,51年朝鮮文学芸術総同盟の副委員長になるが,朝鮮戦争により戦死した。作品には土地改革をテーマとした抒情詩《土のうた》(1946),抗日パルチザン普天堡の戦を描いた長編叙事詩白頭山》(1947),労働者の新生活を歌った《生のうた》(1950),南朝鮮の麗水反乱事件をあつかった連詩《たたかう麗水》(1948)などがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「趙基天」の意味・わかりやすい解説

趙基天
ちょうきてん / チョギチョン
(1913―1951)

北朝鮮の詩人。咸鏡(かんきょう)北道会寧(フェリョン)の貧農出身。幼少時にシベリアへ移住。オムスク・ゴーリキー師範大学を卒業後、中央アジアにあるクシル・オルタ朝鮮師範大学で教鞭(きょうべん)をとるかたわら詩を創作。1945年8月祖国解放の戦闘に加わる。『朝鮮新聞』編集にあたりながら詩作。土地改革をテーマとした『土のうた』(1946)などの短詩のほか、金日成ら抗日パルチザンの闘いを描いた叙事詩『白頭山』(1947)、労働者の新生活を反映した『生のうた』(1950)、麗水(ヨス)事件を扱った連詩『闘う麗水』(1948)などがある。51年3月朝鮮文学芸術総同盟副委員長に選ばれたが、同年10月に戦死した。

[金 学 烈]

『許南麒訳『白頭山』(1974・太平出版社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「趙基天」の意味・わかりやすい解説

趙基天
ちょうきてん

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