超酸化ナトリウム(読み)チョウサンカナトリウム

化学辞典 第2版 「超酸化ナトリウム」の解説

超酸化ナトリウム
チョウサンカナトリウム
sodium hyperoxide, sodium superoxide

NaO2(54.99).IUPAC命名法による体系名は,二酸化(1-)ナトリウム(sodium dioxide).生化学命名法では O2 は超酸化物(superoxide)イオンとよぶが,無機化学命名法では二酸化物(1-)イオンとよぶことを薦めている.密閉容器中で,Na2O2酸素と300 atm,500 ℃ で反応させると得られる.立方晶系.結晶中に O2 が存在し,O-O1.33 Å.室温では黄鉄鉱型構造,高温では白鉄鉱型構造にかわる.室温では黄色,高温では橙色,低温では無色の結晶.室温では乾燥空気中でかなり安定であるが,加熱すると分解する.常磁性で,水とはげしく反応して O2 を発生してNaOHとなる.[CAS 12034-12-7]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の超酸化ナトリウムの言及

【過酸化ナトリウム】より

…構造は塩化水銀(I)Hg2Cl2に似たNa[O-O]2-Naの連なりであるとされている。超酸化ナトリウムsodium hyperoxide(またはsodium superoxide)Na(O2)を過酸化ナトリウムに含めることもある。これはNa2O2を500℃,300気圧の酸素と作用させて得られる黄色結晶で,黄鉄鉱Fe(S2)型の乱れた構造をもつ。…

※「超酸化ナトリウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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