起訴独占主義(読み)きそどくせんしゅぎ(英語表記)Anklagemonopol

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「起訴独占主義」の意味・わかりやすい解説

起訴独占主義
きそどくせんしゅぎ
Anklagemonopol

刑事訴訟において,私人起訴を認めず,国家機関,ことに検察官だけにその権限を認める制度 (刑事訴訟法 247) 。全国的に一体をなす検察官が訴追機関となることによって,起訴・不起訴判断が公正かつ統一的なものになるという長所がある。

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世界大百科事典(旧版)内の起訴独占主義の言及

【起訴】より

… これに対し,日本では,国家訴追主義には例外がなく,刑事訴追の公的性格はきわめて鮮明であり,被害者その他の者は,告訴告発をし,または検察審査会へ審査請求をするなどにより,国家機関が公訴を提起するよう働きかけることができるにすぎない。さらに,国家機関として公訴提起の権限を有するのは検察官だけである(これを〈起訴独占主義〉という)。そもそも検察官は公訴権行使のために設けられた機関であるから,検察官が公益の代表者として起訴を独占するのは必然的な方向であるが,日本ではその度合いがとくに高い。…

【刑事訴訟】より

…また,聞込みや取調べなど通常の捜査方法のほか,いわゆる科学捜査が推進され,顕著な発達を示している。 公訴の提起は,もっぱら検察官の任務である(起訴独占主義)。検察官は,捜査の結果を吟味し,起訴の適否を判断する。…

※「起訴独占主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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