赤銅鉱型構造(読み)せきどうこうがたこうぞう(英語表記)cuprite structure

日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤銅鉱型構造」の意味・わかりやすい解説

赤銅鉱型構造
せきどうこうがたこうぞう
cuprite structure

一般式A2X(Aは陽性元素、Xは陰性元素)で示される化合物にみられる結晶構造の一型式。亜酸化銅型構造ともいう。赤銅(セキドウ)鉱は酸化銅(Ⅰ) Cu2Oの鉱物で、結晶は立方晶系(等軸晶系)に属し、空間群Pnm、格子定数a=4.270Åの単位胞に2式量が含まれる。Xに相当する酸素原子の体心立方格子と、Aに相当する銅原子の面心立方格子が組み合わされた構造をとり、銅が酸素に対して正四面体型4配位、酸素が銅に対して直線2配位している。すべてのCu‐O結合距離は等しく、結合はかなり共有性を帯び、外殻電子数が18となる銀(Ⅰ)、鉛(Ⅰ)の酸化物Ag2O、Pb2Oがこの構造をとる。

[岩本振武 2015年8月19日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「赤銅鉱型構造」の解説

赤銅鉱型構造
セキドウコウガタコウゾウ
cuprite type structure

[別用語参照]酸化銅(Ⅰ)型構造

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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