赤蜻蛉(読み)あかとんぼ

精選版 日本国語大辞典 「赤蜻蛉」の意味・読み・例文・類語

あか‐とんぼ【赤蜻蛉】

〘名〙
トンボの種類のうち、腹部赤色橙色、橙褐色、黄色などのものの俗称。種名ではない。代表的なものはアキアカネナツアカネミヤマアカネショウジョウトンボ。夏から秋に群れ飛ぶものが多い。あかとんぼう。あかえんば。あかねとんぼ。《季・秋》
※雑俳・住吉みやげ(1708)「赤とんぼ鼻へ来おるとぴんとはね」
② (①は北に飛ぶという俗説から) 北国(ほっこく)と呼ばれた江戸新吉原に行く人をいう。
※雑俳・柳多留‐一二四別下(1833)「野暮からぬほうへ飛んでく赤とんぼ」
③ 関東・奥州の巡礼・道者を上方の人があざけっていう語。
※浄瑠璃・行平磯馴松(1738)形見忍夫摺「いやけ二さいのけ順礼、日本唐(にっぽんたう)の赤蜻蛉(アカトンボ)
④ 飛行機、特に複葉の練習機をいう俗語
剥製(1969)〈三浦哲郎〉一「飛び越えるといっても、こっちは九三式中間練習機ですからね、例の赤トンボに、迷彩を施した奴ですが」

あか‐とんぼう ‥とんばう【赤蜻蛉】

〘名〙
※俳諧・誹諧初学抄(1641)末夏「しそ摘(つむ) 赤とんはう うちわ
※雑俳・柳多留‐三(1768)「帰るちょき赤とんぼうと行違ひ」

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デジタル大辞泉 「赤蜻蛉」の意味・読み・例文・類語

あか‐とんぼ【赤蜻蛉】

トンボ科アカネ属(アカトンボ属とも)のトンボの総称アキアカネナツアカネなど。体は赤または橙褐とうかつ色で、特に雄は成熟すると真っ赤に色づく。ショウジョウトンボなどを含めていうこともある。あかねとんぼ。あかね。あかえんば。あかとんぼう。 秋》
もと、海軍の複葉練習機の俗称。機体の赤色と複葉を赤とんぼに見立てていった。
[補説]アクセントはアカトンボ。昭和初期まではカトンボ。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「赤蜻蛉」の解説

赤蜻蛉 (アカトンボ)

動物。アカネ属のトンボ科の昆虫の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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