赤松氏城跡(読み)あかまつししろあと

国指定史跡ガイド 「赤松氏城跡」の解説

あかまつししろあと【赤松氏城跡】


兵庫県赤穂(あこう)市、相生(あいおい)市、姫路市にある城跡。指定名称は「赤松氏城跡 白旗城跡(しらはたじょうあと) 感状山城跡(かんじょうさんじょうあと) 置塩城跡(おきしおじょうあと)」。置塩城は、姫路市の中心部から北10kmの宮置に位置し、北から南に流れる夢前(ゆめさき)川沿いにある播但(ばんたん)街道の要所播磨守護の赤松氏によって築かれ、約100年間、居城として使用されたが、1580年(天正8)、豊臣秀吉が播磨を平定した段階で廃城を迎えた。標高370mの城山(置塩山)の山頂部には現在でも4ha以上にわたり、曲輪・城道・石垣などの遺構が残っており、播磨で最大規模を誇る。2001年(平成13)からの発掘調査では、山城としては珍しい庭園遺構と、それに面して大規模な建物跡が存在していたことを確認。戦乱の世の中では軍事使用が中心だった山城では異例で、城主赤松氏の室町時代から受け継ぐ権威、文化レベルの高さが注目されることになった。赤穂市上郡町の標高440mの白旗山にある白旗城と、相生市矢野町の標高301mの感状山にある感状山城は、同様に赤松氏が築城した城で、置塩城より古く、南北朝時代ころと推定されている。1996年(平成8)、3つの城跡をあわせて、「赤松氏城跡」として国の史跡に指定された。置塩城へは、JR山陽新幹線ほか姫路駅から神姫バス「宮置」下車、徒歩約45分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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