赤平(市)(読み)あかびら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤平(市)」の意味・わかりやすい解説

赤平(市)
あかびら

北海道中央部、旧石狩炭田の北部にある都市。1954年(昭和29)市制施行。市名は、アイヌ語「フレピラ」(赤い崖(がけ))の意味と音からなるという説と、「アカピラ」という崖から出たという説とがある。市の中央を空知(そらち)川が西流、両岸に崖の発達する河岸段丘をもつ谷が、北の古い火山イルムケップ山と、南の空知山地の間に続く。JR根室(ねむろ)本線、国道38号は河岸段丘面を走り、これに沿い市街が展開する。滝川(たきかわ)市の東に接し、道央自動車道滝川インターチェンジが近い。1891年(明治24)熊本県人6名が南隣の歌志内(うたしない)から、山越えで市域東部に入植したのが開拓の始めである。1913年(大正2)空知川沿いに鉄道が開通。鉄道の便と炭脈発見により、1918年以降、次々に炭鉱が開かれ、1938年(昭和13)住友赤平鉱の開坑で本格的な炭都に成長した。第二次世界大戦後の炭鉱好況期には人口も5万を超えた。しかし、炭鉱不況を迎えて閉山が相次ぎ、最後に残った住友石炭赤平炭鉱(旧、住友赤平鉱)も1994年(平成6)閉山した。産炭地振興対策として企業誘致に力を入れ、鞄(かばん)、木材食品などの工業があり、1995年第二工業団地が分譲開始。東部の河谷西部の平野部は農業地。レジャー施設にエルム高原リゾートなどがある。面積129.88平方キロメートル、人口9698(2020)。

[柏村一郎]

『『赤平八十年史』(1973・赤平市)』


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