日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤坂(東京都)」の意味・わかりやすい解説
赤坂(東京都)
あかさか
東京都港区北部の一地区。もとは西の青山とともに赤坂区をなしていたが、1947年(昭和22)麻布(あざぶ)、芝の旧区と合併して港区の一部となる。地名の由来は、かつてアカネを多くつくったため茜(あかね)山といわれたのが転訛(てんか)したとも、赤土の台地からとも、諸説がある。山手(やまのて)台地の一部を占め、侵食谷には湧水(わきみず)が多い。東京地下鉄銀座線、丸ノ内線、千代田線、半蔵門(はんぞうもん)線、南北線が通じる。江戸時代には武家屋敷地や、寺社地に利用されたが、明治維新後、紀伊徳川家の中屋敷跡は、旧赤坂離宮から東宮御所、迎賓館(1974年大改修完成。フランス風の優れた建築)に、松江、山家(やまが)、山口の3藩の大名屋敷跡は、旧陸軍連隊から防衛庁を経て東京ミッドタウンなどに変わった。都心に近く閑静な地で、アメリカやカナダなど大使館が多い。江戸城外堀に設けられた見附(みつけ)門の一つ、赤坂見附付近は、高級歓楽街で料亭やクラブが多い。青山通りには豊川稲荷(いなり)、高橋是清(これきよ)翁記念公園があり、乃木坂(のぎざか)には乃木神社がある。
[沢田 清]