普及版 字通 「賦(漢字)」の読み・字形・画数・意味
賦
常用漢字 15画
[字訓] おさめる・あたえる・となえる
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は武(ぶ)。〔説文〕六下に「斂(をさ)むるなり」と訓し、賦斂(ふれん)の意とする。金文の〔毛公鼎〕に「命を(し)き、政をき、小大の楚賦(ふそ)を(をさ)めよ」とあり、政令の実質は賦斂を徴することにあった。賦斂の意より分賦・賦予の意となり、天性のものを天賦・賦稟(ふひん)という。文学としての賦は、その対象を詩的な言語で賦陳することによって、その内的な生命との交感を目的とする、一種の魂振り的な言語呪術から発したもので、いわゆる辞賦の文学はその系統に属する。〔万葉〕の「寄物陳思(きぶつちんし)」も、本来はそのような呪誦文学の系列に属するものであった。
[訓義]
1. おさめる、とる、とりたてる、みつぐ。
2. わりあて、わかつ、くばる、うける。
3. ほどこす、あたえる、うごかす。
4. となえる。詩の六義の一、ならべあげてうたう。辞賦の文学、その文体。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕賦 ムクユ・マダラナリ・カハル・ナヤム・クバル・シク・ハフ・ユタカナリ・イコフ・ヒク・ウタフ 〔字鏡集〕賦 シク・ウツ・ノブ・ハフリ・アカツ・ヒク・イコフ・ヲロス・トル・ウタフ・カハル・ハフ・ユタカナリ・ハカル・ムクユ・クバル・マダラナリ・ナヤム
[熟語]
賦韻▶・賦詠▶・賦役▶・賦課▶・賦額▶・賦間▶・賦帰▶・賦給▶・賦形▶・賦貢▶・賦才▶・賦彩▶・賦算▶・賦詩▶・賦事▶・賦質▶・賦▶・賦政▶・賦性▶・賦税▶・賦籍▶・賦租▶・賦粟▶・賦調▶・賦田▶・賦得▶・賦入▶・賦納▶・賦稟▶・賦分▶・賦命▶・賦有▶・賦与▶・賦予▶・賦輿▶・賦里▶・賦斂▶・賦禄▶
[下接語]
課賦・丘賦・均賦・軍賦・軽賦・献賦・公賦・厚賦・貢賦・財賦・作賦・算賦・詞賦・詩賦・辞賦・重賦・征賦・税賦・租賦・治賦・徴賦・定賦・天賦・田賦・俳賦・倍賦・比賦・分賦・敝賦
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報