貸元(読み)かしもと

精選版 日本国語大辞典 「貸元」の意味・読み・例文・類語

かし‐もと【貸元】

〘名〙
① 金を貸す人。貸し主。金主
黄表紙・八代目桃太郎(1784)「こいつを持って貸元(カシモト)をしてえ」
② (賭け金を融通してくれるところから) 賭博場を主催している親方。また、ばくち打ちの親分
浄瑠璃神霊矢口渡(1770)四「彼鎌倉で借元(カシもト)大将

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「貸元」の意味・読み・例文・類語

かし‐もと【貸(し)元】

金銭を貸す人。金主。
《ばくちにかける金銭を融通してくれるところから》ばくち打ちの親分。
[類語]貸し主貸し手

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「貸元」の意味・わかりやすい解説

貸元
かしもと

金を貸す人の意から転じて博打(ばくち)打ちの親分のことをさす。江戸中期ごろからはびこったが、関八州甲州などにはとくに多い。また上州赤城(あかぎ)山とか、野州日光山とか、有名な山のある所には有名な博徒の親分がいて、山の祭礼のときなどには大賭場(とば)が開かれ、ときには賭博(とばく)の元金などを貸して賭場が盛大ににぎわうことに努めた。そのため貸元と称する。賭場で親分の代わりをつとめる者を代貸(だいがし)という。

稲垣史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android