精選版 日本国語大辞典 「貰」の意味・読み・例文・類語
もらい もらひ【貰】
〘名〙 (動詞「もらう(貰)」の連用形の名詞化)
※俳諧・太郎五百韻(1679)「かりがねすこしのこりけり〈惟中〉 秋の風行事がもらひに成ました〈惟中〉 町にをゐてもいらぬ露霜〈西鶴〉」
※評判記・野郎大仏師(1667‐68)玉村吉彌「月ばかり上手によむ歌人のきりゃう有。こればかりはもはや二町まちからのもらひにしたひ物じゃ」
④ 乞食。物もらい。おもらい。
⑤ 芝居で、その場面を省略すること。
※滑稽本・客者評判記(1811)下「ハハア茶屋場は貰(モレヘ)になったと見えた」
⑥ 清算取引で、損をした方が、利益をあげた相手方に妥協を申し込み、合意的に解合(とけあい)をし、建玉(たてぎょく)を申し受けること。まだ決済がすまないうちに、少しでも損失を少なくしようとして、相手方に支払の延期や変更を申し込むこと。また、その建玉。
⑦ 取引相場で、他人の売買玉を譲り受けること。また、その売買玉。
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