貯蔵組織(読み)ちょぞうそしき(英語表記)storage tissue

精選版 日本国語大辞典 「貯蔵組織」の意味・読み・例文・類語

ちょぞう‐そしき チョザウ‥【貯蔵組織】

〘名〙 各種貯蔵物質を多量に貯える柔細胞が集合してできた組織。一般には水分(特に貯水組織という)、澱粉蛋白質脂肪のいずれかを貯蔵する。

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デジタル大辞泉 「貯蔵組織」の意味・読み・例文・類語

ちょぞう‐そしき〔チヨザウ‐〕【貯蔵組織】

植物で、貯蔵物質を多量に蓄える柔細胞が集合してできた組織。塊根塊茎胚乳はいにゅうなどで発達動物では脂肪組織

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改訂新版 世界大百科事典 「貯蔵組織」の意味・わかりやすい解説

貯蔵組織 (ちょぞうそしき)
storage tissue

柔組織の一つで,養分を蓄える組織。ジャガイモの塊茎,サツマイモの塊根,タマネギの鱗葉など,貯蔵組織は茎,根,葉のいずれにも存在する例がある。また,一般に果実果肉種子胚乳も貯蔵組織である。貯蔵物質はデンプンが多いが,糖類やタンパク質のこともある。貯蔵組織に蓄えられた養分は,ジャガイモの塊茎などの場合,栄養増殖に利用され,また胚乳の場合は幼植物の初期の生長のために使われる。果肉は鳥などの餌となって,種子の散布に間接的に役だつこともある。植物の貯蔵組織に蓄えられた養分は,その植物自体のためだけでなく,ヒトを含めて動物一般の栄養源として重要な意味をもっている。多肉植物などによくみられる貯水組織water storage tissueも,養分を蓄えるわけではないが,ひろい意味では貯蔵組織の一つとして扱われる。貯水組織は水を蓄えていて乾燥期に役だてるもので,乾燥しやすい地域の植物によくみられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「貯蔵組織」の意味・わかりやすい解説

貯蔵組織
ちょぞうそしき

植物の体内で各種の栄養物質を蓄積する組織をいう。柔組織の一種で、細胞は一般に大きく、貯蔵物質を多量に含有する。塊茎(ジャガイモ)、鱗茎(りんけい)(タマネギ)、球茎(コンニャク)、塊根(サツマイモ)、胚乳(はいにゅう)(イネ)、胚の子葉(ダイズ)などは発達した貯蔵組織からなり、栄養物質は発芽時に使われる。貯蔵物質は主としてデンプンだが、このほか糖類、脂肪、タンパク質、イヌリン、マンナンなどを含むこともある。

[相馬研吾]

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