責(漢字)

普及版 字通 「責(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(異体字)
13画

[字音] セキ・サイ
[字訓] もとめる・せめる・つとめ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
正字はに作り、朿(せき)声。〔説文〕六下に「求むるなり」とし、〔伝〕に「して之れを取るなり」という。責はもと賦貢を課することをいう。金文の〔兮甲盤(けいこうばん)〕に「四方の(せき)を(せいし)せしめ、南淮夷に至らしむ。淮夷は(もと)我が(はくほ)(布・農作物を貢する)の人(たみ)なり。敢て其の・其の・其の人(奴隷)、其の貯を出ださざること毋(なか)れ」とあり、は責で、積も同じ意。朿は神聖の表示で占有支配の表示、その地の貢物を、織物は績、農作物は積、その賦貢が順調に行われることを成績といい、その支配地を(迹・蹟)、賦貢の責を負うことを債という。

[訓義]
1. もとめる、賦貢をもとめる。
2. とりたてる、せめとる。
3. せめる、とがめる、しかる、なじる。
4. つとめ、責務。
5. 債と通じ、おいめ、負債。

[古辞書の訓]
名義抄〕責 ワザハヒ・セム・コフ 〔字鏡集〕責 セム・モトム・ウヤマフ・コフ・ワザハヒ・トフ

[声系]
〔説文〕に責声として嘖・積・績など十字を収める。積・績は責の声義を承ける。責求するときの大呼する声を嘖といい、これは擬声語であろう。數(数)(さく)などと通ずる語である。

[語系]
責tzhek、tekは声近く、には罰責の意がある。嘖dzhekはまたに作り、責譲(せめる)・責怒の意がある。

[熟語]
責家・責戸・責主・責過・責課・責詰・責求・責究責咎責躬・責責譴・責言・責降責詬責告・責罪・責実・責数・責書・責償責誚・責譲責辱責訊・責成責斥・責善責贓・責治責懲・責怒・責任・責罵責備・責負・責望・責免・責問・責要責詈責賂
[下接語]
引責・呵責・苛責・課責・悔責・勘責・責・詰責・訓責・譴責・言責・刻責・坐責・塞責・自責・責・質責・受責・収責・重責・峻責・職責・切責・諾責・追責・痛責・廷責・逃責・督責・任責・罰責・文責・貶責・面責・免責

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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