貧窮(読み)びんぐう

精選版 日本国語大辞典 「貧窮」の意味・読み・例文・類語

びん‐ぐう【貧窮】

〘名〙 (形動) =ひんきゅう(貧窮)
古今著聞集(1254)一八「なによりも心にぞつくゐのこ餠ひんくうすなる物とおもへば」
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)二「貧窮(ビングウ)のこ、もろもろ聚落にあそひ」
[語誌]読みについて、「色葉字類抄」には「ヒンク」とある。中世の古辞書でビングウと読むのは「饅頭屋本節用集」「黒本本節用集」「運歩色葉集」など、ヒンキュウと読むのは「文明本節用集」「易林本節用集」「書言字考節用集」などである。なお、「日葡辞書」には両形とも掲載されている。このように三つの読みがあるが、今日ではビング、ビングウは仏経典の読みにとどまる。

ひん‐きゅう【貧窮】

〘名〙 (形動) 貧しくて生活に苦しむこと。貧乏で困ること。また、そのさま。貧困貧苦。びんぐう。
続日本紀‐和銅七年(714)二月辛卯「身苦貧窮、競為姧詐
※古活字本毛詩抄(17C前)一一「貧窮な者には食物をも財宝をもとらせて」 〔戦国策‐秦策〕

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デジタル大辞泉 「貧窮」の意味・読み・例文・類語

ひん‐きゅう【貧窮】

[名](スル)貧しくて生活に苦しむこと。「職を失って貧窮する」
[類語]じり貧じり安貧乏どか貧貧困貧苦窮乏困窮困乏困苦生活苦ひん赤貧極貧清貧貧寒素寒貧すかんぴん不如意ふにょい文無もんな落ち目減退後退下火退潮尻すぼまり廃頽下り坂左前不振先細り下がり目低落廃る廃れる傾く寂れる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「貧窮」の読み・字形・画数・意味

【貧窮】ひんきゆう

貧しくて生活が苦しい。〔戦国策、秦一〕秦曰く、嗟乎(ああ)、窮なれば則ち母も子とせず、富貴なれば則ち親戚も畏懼(ゐく)す。

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