普及版 字通 「負(漢字)」の読み・字形・画数・意味
負
常用漢字 9画
(旧字)
9画
[字訓] おう・たのむ・そむく・まける
[説文解字]
[字形] 会意
人+貝。貝を負う形。〔説文〕六下に「恃(たの)むなり。人の貝を守るに從ふ。恃むるなり」とする。また「一に曰く、貸を受けて償はず」とあり、負債の意。古い字形を見ないが、古い時代には貝は財宝の主たるものであるから、これを負担する形とみてよい。金文の図象に貝を綴って一朋とし、これを前後ふりわけにして荷う形のものがある。負恃の意はその引伸の義。勝負の意は、敗北することによって負荷を加える意とも解されるが、敗・背の声義の関係を考えることもできる。
[訓義]
1. おう、背におう、背に財貨をおう、になう、せにする。
2. こうむる、いだく、身につける。
3. たのむ、よる、おわせる、せめる、うける。
4. にもつ、おいめ。
5. そむく、たがう、うしなう。
6. まける、うしなう、うしろ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 オフ・ソムク・トシ・タノム・ウレヘ・ハヂ・ハヅ・オホス・マク 〔字鏡集〕 トシ・タノム・ニナフ・ソムク・ハヂ・イタダク・カル・マク・オフ・オホス・ノゾム・ウレフ・チカラヲコシ
[声系]
〔説文〕に声としての一字を収める。はからすうり。〔礼記、月令(孟夏の月)〕の王がそれであるという。
[語系]
biuは背puk、北pkと声義近く、は背に負戴すること。背・北と声近く、にげる、そむくの意がある。また敗beatは貝、あるいは宝器の鼎をうって毀敗する意。敗北の意において通用する。
[熟語]
負痾▶・負▶・負倚▶・負違▶・負羽▶・負嫗▶・負下▶・負荷▶・負懐▶・負廓▶・負郭▶・負気▶・負貴▶・負▶・負義▶・負▶・負▶・負嵎▶・負屈▶・負▶・負剣▶・負暄▶・負言▶・負固▶・負鼓▶・負才▶・負債▶・負載▶・負材▶・負罪▶・負山▶・負恃▶・負▶・負疾▶・負質▶・負実▶・負手▶・負乗▶・負心▶・負薪▶・負芻▶・負贅▶・負石▶・負銭▶・負阻▶・負俎▶・負租▶・負俗▶・負他▶・負戴▶・負託▶・負諾▶・負担▶・負図▶・負弩▶・負徳▶・負任▶・負能▶・負背▶・負敗▶・負版▶・負犯▶・負畔▶・負販▶・負非▶・負逋▶・負姆▶・負冒▶・負謗▶・負畚▶・負約▶・負勇▶・負▶・負養▶・負耒▶・負累▶・負類▶・負穢▶
[下接語]
荷負・欺負・矜負・襁負・携負・譴負・孤負・辜負・債負・慚負・弐負・自負・勝負・担負・任負・背負・逋負・抱負・戮負
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報