貝毒による中毒(読み)かいどくによるちゅうどく

家庭医学館 「貝毒による中毒」の解説

かいどくによるちゅうどく【貝毒による中毒】

 以下にあげる貝を食べると、食中毒がおこることがあります。
●ツブ貝
 唾液腺(だえきせん)中にテトラミンという毒が含まれ、加熱調理しても無毒化されません。視力の低下、めまい、眠けなどがおこります。
アワビ
 中腸腺(ちゅうちょうせん)が、2~5月になると毒をもちます。光過敏症(ひかりかびんしょう)がおこり、顔、手、足などの日光のあたる部分に赤み、腫(は)れ、痛みなどのやけどに似た症状が現われます。
●バイ貝
 7~9月にかけて、中腸腺に毒をもつことがあって、視力の低下、唇(くちびる)のしびれ、のどの渇きなどがおこります。けいれん、意識混濁などの重い症状になることもあります。
●ムラサキイ貝、ホタテ貝、アカザラ貝、コタマ貝など
 これらの二枚貝は、5~10月に有毒プランクトンを食べて毒をもつことがあります。下痢げり)、吐(は)き気(け)・嘔吐(おうと)、腹痛などがおこります。
 下痢が中心的な症状なので、この毒を下痢性貝毒といい、加熱調理をしても、無毒化されません。
アサリ、アカザラ貝、マガキ、ムラサキイ貝など
 これらの貝は、赤潮(あかしお)が発生すると、この中にいる有毒プランクトンを食べて毒をもつことがあります。唇や舌のしびれ、からだのまひなどふぐ中毒に似た症状がおこります。
 この毒をまひ性貝毒といいます。毒をもつと出荷規制などの処置がとられます。
[治療]
 症状が少しでも現われたら、まず、吐きます。いっしょに食べた人も、たとえ症状がなくても吐きましょう。そして医師診察を受けてください。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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