豪雨
ごうう
比較的短い時間に、多量に降る雨。なかでも局地的な範囲のものを集中豪雨ということがある。豪雨は暖候期(だいたい6月から9月まで)に降り、また低緯度に多く、高緯度では少ない。これは気温が高いほど空気中の水分が多いためである。このため暖地と寒地とではその量が異なるので、年降水量(おもに雨量と雪量)の約1割の日量をもって、その土地の豪雨とすることもあるが、普通、南西日本では日量200ミリメートル、北東日本では100ミリメートル以上をそれぞれ豪雨としている。また時間雨量では30ミリメートルくらいから豪雨といえる。
日雨量の世界記録は、1952年3月15~16日にインド洋のレユニオン島で降った1870ミリメートルを最大とするが、日本では、2004年(平成16)8月1日徳島県那賀(なか)郡上那賀町海川(かいかわ)(現、那賀町海川)で降った1317ミリメートルが最大である。時間雨量では、1982年(昭和57)7月23日に長崎県西彼杵(にしそのぎ)郡長与で降った187ミリメートルが日本の最大記録である。豪雨は前線または台風に伴って降ることが多い。
[安藤隆夫]
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ごう‐う ガウ‥【豪雨】
〘名〙 はげしく降る雨。気象学的には、降雨時間はさほど短くはなく、雨量が甚大な雨を、短時間に多量に降る
強雨(きょうう)と区別していう。およそ一日の雨量が二〇〇ミリメートルをこすもの。日本には一日に一〇〇〇ミリメートル以上の記録がある。
※菅家文草(900頃)四・仁和四年、自春不雨。府之少北、有一蓮池「豈図此歳無二豪雨一、何罪当州且旱天」
※寄笑新聞(1875)〈梅亭金鵞〉六号「強雨(ゴウウ)にはかに降出で勢ひ盆を傾むくる如くにて」 〔楊維楨‐送理問王叔明詩〕
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「豪雨」の意味・読み・例文・類語
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普及版 字通
「豪雨」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典内の豪雨の言及
【雨】より
…雨とは雲中でつくられた雨滴が地表に降る現象であるが,日常生活をはじめ,集中豪雨,雪,台風などの災害や農業・産業との関連を含めて,雨は人間の社会生活に深いつながりをもっている。
【雨の科学】
[雨滴]
雲粒のうち半径約100μm(=0.1mm)以上の大粒を雨滴と呼んでいる。…
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