象(漢字)

普及版 字通 「象(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] ショウ(シャウ)・ゾウ(ザウ)
[字訓] かたち

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
長鼻の獣である象の形。〔説文九下に「南越の大獸なり。長あり。三年にして一たびす。耳四足尾の形に象る」(段注本)という。卜辞に「象を(え)んか」と卜するものがあり、当時は江北に象が棲息しており、捕獲して土木工事に使役していたようである。「爲(な)す」の爲(為)は象の上に手を加える字形で、象を使役する意。築営のことを爲といった。殷虚の婦好墓からは象杯が多く出土し、〔孟子、文公下〕に、周初に「虎・・犀・象を驅りて之れをざく」とあり、象は古く江北の地にも群棲していたことが知られる。象を象徴の意に用いるのは、(祥)との通用義であろう。相似の意は、像・様の意である。

[訓義]
1. ぞう、きさ。
2. 像・様と通じ、かたち、ありさま、さま。
3. のり、おきて。
4. 橡と通じ、とちのき。
5. 武舞の名。
6. 通訳。

[古辞書の訓]
和名抄〕象 岐佐(きさ)(箋注)谷川氏曰く、象り。樗(ちよ)の木理に似たり。故に岐佐と名づく 〔名義抄〕象 キサ・カタチ・タダ・ノリ・ワタル・カタドル・ノトル

[声系]
〔説文〕に象声として像・など六字を収める。像八上は「似るなり」(段注本)と訓し、(養)(よう)の声でよんで様の意。八上は「るなり」と訓し、妝・装の意がある。

[語系]
象・像・ziangは同声。また樣(様)jiangも声が近く、象をまた像・様の意に用いる。

[熟語]
象意象緯・象外象戯・象魏・象刑・象形象闕・象効象梗・象載・象似・象事・象辞象胥・象・象人・象数・象声・象徴・象斗・象度・象道・象徳・象舞・象武・象服・象物象貌・象夢・象訳・象六・象路象輅象鞋・象・象管象眼象嵌・象象笏・象歯象珥・象主象牀・象隊・象・象・象象弭
[下接語]
印象・易象・仮象・駕象・観象・気象・騎象・犠象・巨象・駆象・群象・形象・現象・犀象・事象・捨象・馴象・心象・燧象・瑞象・対象・抽象・天象・白象・万象・表象・物象・暦象

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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