講釈(読み)コウシャク

デジタル大辞泉 「講釈」の意味・読み・例文・類語

こう‐しゃく〔カウ‐〕【講釈】

[名](スル)
書物の内容や語句の意味などを説明すること。「論語を講釈する」
物事道理や心得などを説いて聞かせること。また、その説明。「先輩気どりで講釈する」
江戸時代、客を集めて軍記物を読み聞かせたもの。明治以後の講談のもと。
講釈師」の略。
[類語](1)(2釈義評釈解義義解ぎげ読解釈する説き明かす解釈理屈理屈理屈詭弁きべんこじつけ空理空論御託ごたく/(3)(4講談漫才漫談

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精選版 日本国語大辞典 「講釈」の意味・読み・例文・類語

こう‐しゃく カウ‥【講釈】

〘名〙
① (━する) 原典をもとに講義をすること。書物の語句や文章の意味などを補足し説明すること。講義。こうさく。
河海抄(1362頃)序「五十四帖を講釈せらるる義ありしに」
② (━する) 物事の道理や、教義を説くこと。また、その道理や教義。
※仮名草子・犬枕(1606頃)「一、諸道のかうしゃく」 〔新唐書‐李勉伝〕
③ (━する) 江戸時代、民衆を相手に「太平記」などの軍書、中国の戦記伝記、人情咄などの本を面白く注釈を加えて読んだこと。また、そのもの。明治時代、講談に発展した。
※俳諧・犬子集(1633)一七「いにたくもありいにたくもなし 講尺の半に腹のいたみ出〈貞徳〉」
※浮世草子・浮世親仁形気(1720)三「太平記の講尺(コウシャク)さする思案であらふが」
④ (━する) こまごまと説明を加えること。もったいぶって説明すること。また、その説明。解説。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)跋「我計うなづきて一句一句に講釈、大笑ひより外なし」
※或る女(1919)〈有島武郎〉後「出す物の一つ一つに知ったか振りの講釈をつけて」
浄瑠璃・曾我五人兄弟(1699頃)五「謡のかうしゃく、つじばうか、舞まひよみうり様々に」

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知恵蔵 「講釈」の解説

講釈

講談」のページをご覧ください。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「講釈」の解説

講釈
こうしゃく

物語芸の一種。仏教の説教に発して太平記読みから軍談をへて,元禄(1688~1704)頃に登場し,天明期(1781~89)以降に盛んとなった。曲節をつけず,張り扇で釈台を叩いて調子をとりながら抑揚と緩急で人物や情景を活写する。初期は大道芸だったが,のち釈場(しゃくば)とよばれる専属の小屋をもち,時代物や世話物を口演した。明治期以後は講談とよび,新作も発表されたが,現在は低迷している。

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改訂新版 世界大百科事典 「講釈」の意味・わかりやすい解説

講釈 (こうしゃく)

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普及版 字通 「講釈」の読み・字形・画数・意味

【講釈】こうしやく

講説。

字通「講」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「講釈」の意味・わかりやすい解説

講釈
こうしゃく

講談

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「講釈」の意味・わかりやすい解説

講釈
こうしゃく

講談」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の講釈の言及

【講談】より

…ふつう,武勇伝,仇討(あだうち),政談,実録のたぐいを,釈台と呼ばれる机を前に張扇をたたきながら,ひとりで口演する。〈講釈〉というのが明治以前の伝統的な呼称。もともと講釈とは典籍を評釈して講義することで,講釈・講談の用語は中世の仏教関係の文献に頻出する。…

※「講釈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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