講組結合(読み)こうぐみけつごう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「講組結合」の意味・わかりやすい解説

講組結合
こうぐみけつごう

日本の村落における家の結合類型の一つ。日本農村の地帯構造的類型化 (東北型,西南型) を前提としつつ,村落における社会関係を縦の結合と横の結合に類型化したことによって得られた概念で,各種の宗教的講集団や地縁的村組による家と家との横の平等的結びつきをいう。これに対し同族においては,本家とそれに従属する血縁,非血縁の分家という縦の家結合が形成されている。こうした講組,同族の結合形態が村落の社会構造にそれぞれ支配的に示される村落を講組結合の村落,同族結合の村落という。農業生産力の発展段階に即して類型化されていることもその特徴の一つで,同族結合から講組結合へと,歴史的な発展類型として把握されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の講組結合の言及

【農村社会学】より

… 第2次大戦後,農村において農地改革や家族制度の廃止などの制度的改革が進められるのを背景に,福武直を中心に改革後も残存する封建遺制の解明が目ざされ,農家家族から村落構造,農民意識など広範な対象をとりあげて実証的な調査研究が行われた。この中で村落構造に関して,同族結合の東北型農村と講組結合の西南型農村の二つの類型をたて,前者から後者をへて自立した農家の構成する民主的農村社会を展望するという理論図式は大きな影響力があった。その後,農村社会学者の多くは村落社会研究会を組織して研究の発展を図ったが,改革後の農村の歴史的規定をめぐって,日本の村落がヨーロッパの資本主義以前の社会にみられた村落共同体と共通するものとしてとらえられるか否かをめぐり論議が重ねられた。…

※「講組結合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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