諸賞流(読み)しょしょうりゅう

精選版 日本国語大辞典 「諸賞流」の意味・読み・例文・類語

しょしょう‐りゅう ショシャウリウ【諸賞流】

〘名〙 古流柔術の流派の一つ。鎌倉初期、周防前司の郎党で夢想観世流二七代毛利宇平太国友にはじまる。毛利国友が、小兵ながら幕府の勅使饗応の相撲会に勝ち抜き、源頼朝諸将が感嘆したところから、諸賞流と称したと伝える。のち、南部盛岡藩家臣岡武兵衛庸重(寛龍軒)が四七代を継承し、同藩に広めた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「諸賞流」の意味・わかりやすい解説

諸賞流
しょしょうりゅう

古流柔術(和術)の一つで、南部(なんぶ)盛岡藩の御留(おとめ)流として、小具足(こぐそく)・立合(たちあい)の表稽古(おもてげいこ)から甲冑歩立組討(かっちゅうかちだちくみうち)秘伝に至る、打(うち)・取(とり)あわせて958手に及ぶ手数(てかず)と、肘(ひじ)・足(あし)の当てを含む猛稽古で有名であった。盛岡藩伝の初代岡武兵衛庸重(おかぶへえつねしげ)は、江戸へ出て諸流を学び、さらに真(しん)の当(あ)てを求めて、鎌倉の石田辰之進定政(いしだたつのしんさだまさ)の門に入り、刻苦研鑽(けんさん)のすえ、諸賞流の免許を得て寛龍軒(かんりゅうけん)と号し、帰国後再出仕してこれを子弟に教授したという。

[渡邉一郎]

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