諸(漢字)

普及版 字通 「諸(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 15画

(旧字)
人名用漢字 16画

[字音] ショ
[字訓] もろもろ・おおい・これ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(者)(しや)。〔説文〕三上に「辯なり」とあり、〔爾雅、釈訓〕「は辯なり」の訓をとる。「あまねし」の意である。〔段注〕に「辨(わか)つなり」の誤りとし、分別より諸多の意となったという。金文に「侯」「士」など、を諸の意に用いる。は、邑落をめぐらした中に、呪禁として埋めた書をいう。その祝の辞が種々の呪禁に及ぶので、それをというのであろう。

[訓義]
1. もろもろ、多くの辞、多い。
2. 之と通じ、これ、之於・之乎と通じ、これを~に、これ~か(や)の意に合字として用いる。
3. 語末につけて、形容の語を作る。忽諸

[古辞書の訓]
名義抄 モロモロ・オホヨソ・ツミ・ワキマフ・ススム・モモホシ・ソレ・コレ・ミナ・ウトシ・カタヘ

[声系]
〔説文〕に声としての二字を録し、と同声。にみな、うちに多くのものを収蔵する意がある。

[語系]
tjiaは同声。zjiaも声近く、みな諸多・収蔵の意がある。形容語の語末に用いるものに如njia、(若)njiak、而nji、然njian、爾njiaiなどがあり、みな声の近い字。〔詩、風、日月〕「日居(や)(や)」の居・諸のように終助詞に用いるのは、が之乎tji-haの合音であるからその末音を用いたものであり、また〔論語、衛霊公〕「子張、(こ)れを紳に書す」のは、于之hiua-tji、於之ia-tjiの合音としての用法である。

[熟語]
諸越・諸夏・諸下・諸家諸華諸奸・諸季諸許諸御諸君諸賢諸彦諸侯・諸工・諸公諸豪諸国・諸子・諸士・諸事諸儒諸衆諸処・諸色・諸生・諸弟諸般・諸・諸父・諸物・諸母諸余諸虜
[下接語]
居諸・忽諸・方諸

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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