諡(漢字)

普及版 字通 「諡(漢字)」の読み・字形・画数・意味


16画

(異体字)謚
17画

[字音] シ・イ
[字訓] おくりな

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(けい)。はおそらくもと(し)の字であろう。金文の〔班(はんき)〕に「其の(なづ)けて大と曰ふ」とあり、祭器に特に名号を与えることをいう。宋の尚功の〔歴代鐘鼎彝器款識〕に収める〔石磬(かいせきけい)〕にも「厥(そ)の(な)を義子と曰ふ」とあり、これは祭儀に用いるときの楽器である。〔説文〕三上に「行の迹(せき)なり」とは、一代の行迹を以てその人の諡号とする意で、諡とはこれを人に及ぼしたものであろう。字形は、器に牲血を入れて祓い清める(きん)礼を示す形で、命名のときにその儀礼が行われたものと思われる。諡・謚はともにより出た字形である。

[訓義]
1. おくりな。死後、その人の行迹を考えておくる。
2. 名づける、聖所で用いるものに名づける。
3. よびな。
4. 謐と通じ、しずか、つつしむ。
5. 嗤と通じ、わらう。

[古辞書の訓]
名義抄〕諡 イミナ・マウス・シヅカナリ 〔字鏡集〕諡 シヅカナリ・ワラフ・イミナ・マウス

[語系]
諡sjiet、嗤thjiは声近く、通用する。〔爾雅、釈詁〕に「諡は靜なり」とあり、諡にその義があるとされ、〔説文通訓定声〕に引いて、諡を仮借して謐と為すとするが、声義ともに異なる字である。

[熟語]
諡議・諡号諡冊諡典諡譜諡法諡例
[下接語]
悪諡・加諡・嘉諡・議諡・挙諡・系諡・号諡・作諡・賜諡・失諡・釈諡・爵諡・醜諡・称諡・世諡・制諡・請諡・善諡贈諡追諡美諡・命諡・誄諡

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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