論語集解(読み)ロンゴシッカイ(英語表記)Lún yǔ jí jiě

デジタル大辞泉 「論語集解」の意味・読み・例文・類語

ろんごしっかい【論語集解】

中国三国時代の「論語」の注釈書。10巻。何晏かあん編。「論語」の注釈書として完全に残る最古のもので、漢・魏の諸家の説を集成している。

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精選版 日本国語大辞典 「論語集解」の意味・読み・例文・類語

ろんごしっかい【論語集解】

「論語」の注釈書。一〇巻。魏の何晏撰。漢魏の諸説の集成で、現存最古の完備した書。宋の邢昺の疏と合わせたものを「論語正義」という。

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改訂新版 世界大百科事典 「論語集解」の意味・わかりやすい解説

論語集解 (ろんごしっかい)
Lún yǔ jí jiě

中国,魏の何晏(かあん)(?-249)の著書。10巻。《論語》の完全な注釈として現存最古のもの。宋の朱熹の注に対して古注とよばれ,古義を知るための最善の書である。漢から魏までの孔安国,馬融,包咸,周氏,鄭玄(じようげん),陳群王粛,周生烈の八家の説を抜粋して集め,自説を加えている。《論語義疏》と宋の邢昺(けいへい)(932-1010)の《論語正義》などがこれにもとづいて作られた。日本では古鈔本が多く,また1364年(正平19・貞治3)の刊本が最古のものとして現存する。
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世界大百科事典(旧版)内の論語集解の言及

【論語】より

…後漢では都の太学の前に石経として本文が刻まれ(175),また注釈も多く作られるようになった。それらの注釈はほとんど滅びたが,魏の何晏(かあん)の《論語集解(しつかい)》は漢の孔安国や鄭玄(じようげん)(鄭注とよばれ,敦煌からの発見と近年のアスターナの発見とで約2分の1が残る)など八家の注に自説を加えたもので,古注の代表として今日まで伝わっている。 やがて南宋の朱熹(しゆき)(子)によって朱子学が成立し《論語集注》(新注)が著されると(13世紀),五経に代わって四書が重視され,《論語》はその筆頭として絶対の権威をもつようになった。…

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