諂・諛(読み)へつらう

精選版 日本国語大辞典 「諂・諛」の意味・読み・例文・類語

へつら・う へつらふ【諂・諛】

〘自ワ五(ハ四)〙 気に入られようとして、相手機嫌をとる。こびる。おもねる。追従する。
書紀(720)推古一二年四月(岩崎本訓)「其れ諂(ヘツらひ)詐く者は、則ち国家を覆(くつかへ)す利(と)き器なり」
源氏(1001‐14頃)東屋「君達の、おはし通はむに、世の聞えなむ、へつらひたるやうならむ」
[補注]多くの語源説が提起されているが、動詞「へる(謙)」の連用形「へり」に接尾語「つらふ」が結合したとする説、動詞「へつかふ」と語構成が類似し、意味にも共通性が感じられるところから、「あたり」を意味する「へ(辺)」に「つらふ」が連接したとみる説が注目される。

へつらい へつらひ【諂・諛】

〘名〙 (動詞「へつらう(諂)」の連用形の名詞化) 相手の気に入るようにふるまうこと。媚(こ)びること。追従。
※天草本伊曾保(1593)パストルと、狼の事「クチニワ ツイショウ、fetçuraiuo(ヘツライヲ) ホントシ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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