精選版 日本国語大辞典 「読」の意味・読み・例文・類語
よみ【読】
[1] 〘名〙 (動詞「よむ(読)」の連用形の名詞化)
① 読むこと。読む方法。読む方式。また、読む人。多く、名詞の下に付けて用いる。「百姓読み」「太平記読み」など。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)四「今一言辞と考へて幼稚ときに習ひたる、手本の読(ヨミ)を思ひ出し」
② 漢字の訓のこと。また、漢字で書かれたものを訓よみすること。
※名語記(1275)五「能の字のよみは、よし、あたふ、たへたりなどよめり」
③ 読点(とうてん)。
④ 謎、ことば、文章などの、隠されている意味や内に含ませてある意味。また、他人のおもわく。
※浮世草子・風流曲三味線(1706)四「先方様の此頃の御しなせ振、どうも読(ヨミ)が解けませぬ」
⑤ 現在の情勢判断から、将来の変化を察知すること。事の成り行きを推量すること。特に碁や将棋で、着手や変化を考えること。
※歌舞伎・梅雨小袖昔八丈(髪結新三)(1873)二幕「もし親分、四十年来こんな事は手掛けて居るとおっしゃるが、こいつは読(ヨ)みが違ひました」
⑥ 数えること。勘定すること。計算すること。
⑦ 大きな鰯(いわし)の異称。小さな鰯がはかり売りされるのに対して、何匹と数を数えて売られるところから出た語。
※滑稽本・街能噂(1835)一「小さい鰯のことをはかり、といひ、大ぶりなを、よみ、といひやす」
⑧ 「よみガルタ(読骨牌)」の略。
※談義本・当風辻談義(1753)二「貴丈は酒がなるげな〈略〉定てよみもすきであろ」
⑨ =ほんよみ(本読)②
※忘却の河(1963)〈福永武彦〉三「読(ヨ)みは大事なんだからね、みんなで気を入れてやらなくちゃ駄目なんだ」
[2] 〘接尾〙 機(はた)の筬(おさ)の数を表わすのに用いる。筬の数四〇を一よみとし、その数が多ければ、経(たていと)の本数が多く、織布が密であることがわかる。〔名語記(1275)〕
よ・める【読】
〘マ下一〙 よ・む 〘マ下二〙 (「よむ(読)」の可能動詞)
① 読むことができる。
※日葡辞書(1603‐04)「アノ ヒトノ テワ ヨウ yomuru(ヨムル)」
② その意をさとる。合点がいく。理解できる。わかる。
※浮世草子・好色一代男(1682)六「此中の御仕方惣じてよめぬ事のみ」
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)初「彌二郎がかくしておいたる下駄を見つけてハハアよめたと、心にうなづき」
③ 数えることができる。
④ 内容があったり、面白かったりして読む価値がある。
とう【読】
〘名〙 文章を読みやすくするため、文中にほどこす段落。また、その符号。読点。
※授業編(1783)一「句は一章の中の大ぎれ、読(トウ)は一章の中の小ぎれなり」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報