(読み)しょうする

精選版 日本国語大辞典 「誦」の意味・読み・例文・類語

しょう‐・する【誦】

〘他サ変〙 しょう・す 〘他サ変〙 (古く「じょうずる」とも)
文章詩歌経文などをそらんじて、声を出してよむ。また、節をつけてよむ。暗誦する。そらんずる。じゅする。ずす。
※文明本節用集(室町中)「子路終身誦(ショウズ)之〔子罕篇〕」
② 声をあげて唱える。

ず‐・ず【誦】

〘他サ変〙 (「誦」の呉音からきた直音表記か。「ずうず」「ずんず」の撥音無表記か) 声をあげ調子をつけてとなえる。経や詩歌をそらんじて、朗詠または吟詠する。口ずさむ。しょうする。
伊勢物語(10C前)八二「親王(みこ)、歌を返々ずしたまうて、返しえし給はず」
[補注]「じゅす(誦)」の直音表記と考えて「ずす」とする説もある。

しょう【誦】

〘名〙
① そらんじること。そらんじてよむこと。暗誦。
随筆・折たく柴の記(1716頃)上「七言絶句の詩一首をしへて、其意を解し聞せしに、やがて誦(ショウ)をなしければ」
② 節をつけてよむこと。となえること。

ずん‐・ず【誦】

〘他サ変〙 声をあげ、調子をつけてとなえる。詩歌や経文などを、そらんじて、朗詠または吟詠する。ずず。ずうず。
※宇津保(970‐999頃)蔵開中「なにごとし給ふにもこゑいとおもしろき人のずんじたれば〈略〉みかども御しほたれ給ふ」

じゅ‐・する【誦】

〘他サ変〙 じゅ・す 〘他サ変〙 (「じゅ」は「誦」の呉音) 声をあげてとなえる。経または詩歌などを節をつけていう。口ずさむ。しょうする。ずす。
※能因本枕(10C終)一〇九「その詩をじゅして、黒戸殿上人いとおほくゐたるを」

ずう‐・ず【誦】

〘他サ変〙 =ずず(誦)
※枕(10C終)一六一「詩をいとをかしうずうじ侍るものを」

しょう‐・す【誦】

〘他サ変〙 ⇒しょうする(誦)

じゅ‐・す【誦】

〘他サ変〙 ⇒じゅする(誦)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「誦」の意味・読み・例文・類語

しょう【誦】[漢字項目]

[音]ショウ(漢) ジュ(呉) [訓]となえる そらんじる
〈ショウ〉
声を出して読む。となえる。「愛誦詠誦口誦読誦・朗誦」
暗記して読む。そらんじる。「暗誦
〈ジュ〉お経をとなえる。「読誦念誦諷誦ふうじゅ諷誦ふじゅ
[名のり]すみ
難読誦経ずきょう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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