精選版 日本国語大辞典 「詮」の意味・読み・例文・類語
せん【詮】
〘名〙
① あれこれ考えたり行なったりして行きついたところ。つまるところ。結局。所詮。究極。
② なすべき方法。手段。せん方。
※古今著聞集(1254)一「御戸ひらきまいらせんとするに、いかにも開かれさせ給はざりければ、社司ども、せんつきて眠ゐたりける程に」
③ ある行為に値するだけのしるし。かい。
※毎月抄(1219)「もとよりやさしき花よ月よなどやうの物を、おそろしげによめらんは、何の詮か侍らん」
※春鑑抄(1629)義「義理にそむひては、生きても詮がないほどに」
④ 一大眼目となる大事なところ。よりどころとなるもの。肝要なもの。中心。また、最高のもの。一番。
※無名抄(1211頃)「静縁云、其詞をこそ此哥の詮とは思う給へるに」
※源平盛衰記(14C前)一「加様の実の詮(セン)にあひ奉らん者は、類ひ少なふこそ候らめ」
せん・じる【詮】
〘他ザ上一〙 (サ変動詞「せんずる(詮)」の上一段化したもの) =せんずる(詮)
せん‐・ずる【詮】
〘他サ変〙 せん・ず 〘他サ変〙 くわしくたずね考える。おしはかって明らかにする。
※真如観(鎌倉初)「法花経には真如実相の理を詮(セン)ずれば、須臾に仏に成ると明すのみにあらず」
せん‐・ず【詮】
〘他サ変〙 ⇒せんずる(詮)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報