詩(漢字)

普及版 字通 「詩(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

[字音]
[字訓] うた

[説文解字]

[字形] 形声
声符は寺(じ)。古くは之(し)に従い、之声。〔説文〕三上に「志なり」とあり、〔毛詩〕の序に「詩は志の之(ゆ)くなり。心に在るを志と爲し、言に發するを詩と爲す」とあるのによる。〔詩、大雅、巻阿〕「詩を矢(つら)ぬること多からず 維(ここ)を以てに歌ふ」、また〔大雅、高〕「吉甫、誦を作る 其の詩孔(はなは)だ碩(おほ)いなり 其の風肆(なが)く好し 以て申伯にる」とあるのによると、詩は誦すべきものであり、呪誦であり、定められた儀礼の歌であったことが知られる。詩の呪誦的な性格は、〔小雅、何人斯〕「此の三物を出だして 以て爾(なんぢ)を詛す」「此の好歌を作りて 以て反側(心変わり)を極(せ)む」などの語によって知ることができる。〔後漢書、五行志一に引く五行伝〕に「言の從はざる、是れを不乂(ふがい)(不治)と謂ふ。~厥(そ)の極憂には、時に則ち詩妖り」とみえ、詩には呪霊があるものとされている。寺は金文に「寺(たも)つ」とよむ用法がある。詩の起源は呪誦、その字義は呪能を保有するものの意であろう。

[訓義]
1. うた、からうた、定型のうた。
2. 五経の一。〔詩〕〔詩経〕〔毛詩〕のようにいう。
3. 弦歌するもの、譜によってうたうもの。
4. 持と通じ、もつ。

[古辞書の訓]
名義抄〕詩 ウタフ・キハム・ココロザシ・ツクル・ウタ 〔立〕詩 トク・ツク・ツクル・ココロザシ・ウタ・カタラフ・キハム・ウタカフ

[熟語]
詩案・詩逸・詩詠・詩宴・詩・詩翁・詩家・詩価・詩過詩歌・詩会・詩懐・詩格・詩学・詩巻・詩客・詩教・詩境・詩興詩吟・詩句詩景・詩傑・詩語詩窖詩稿・詩豪・詩国・詩獄・詩魂・詩債・詩材詩讚・詩思・詩史・詩社・詩酒・詩趣・詩囚詩什・詩書・詩称詩頌詩情詩讖・詩人・詩聖詩仙・詩宗・詩草・詩僧・詩体・詩題・詩胆・詩壇・詩談・詩帳・詩腸・詩敵・詩・詩天・詩奴・詩道・詩・詩派・詩・詩伯・詩伴・詩板・詩筆・詩賦・詩風・詩文・詩病・詩癖・詩・詩魔・詩名・詩盟・詩・詩友・詩余・詩謡・詩妖・詩律・詩流・詩侶・詩力詩話
[下接語]
悪詩・佚詩・逸詩・軼詩・詠詩・艶詩・嘉詩・歌詩・課詩・哦詩・賀詩・学詩・漢詩・旧詩・狂詩・近詩・献詩・古詩・工詩・采詩・裁詩・刪詩・史詩・矢詩・修詩・小詩・笙詩・頌詩誦詩・新詩・声詩・説詩・選詩・贈詩・題詩・短詩・長詩・陳詩・展詩・唐詩・闘詩・賦詩・編詩・律詩

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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