世界大百科事典(旧版)内の試し刷りの言及
【版画】より
…こうして版画家は自作の,より広範な人々への普及の可能性を断念する代りに,それまで商業ベースに乗らなかった版画によっても生活が可能になり,広い意味ではこの慣行によって版画の価値を社会的に承認させ,現代における版画創作活動を隆盛に導いたわけで,この積極的な側面を否定することはできない。限定部数のほかに作者の試し刷り(épreuve d’artiste,essai d’artisteをE.A.,artist’s proofをA.P.と略する)が数部ある以外は,原版に線を入れ版を以後使用不能にすることがふつうである。なお版画にはレンブラントの《三つの十字架》に見られるように図柄に数種類の変化があるものがある。…
※「試し刷り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」