評定始(読み)ひょうじょうはじめ

精選版 日本国語大辞典 「評定始」の意味・読み・例文・類語

ひょうじょう‐はじめ ヒャウヂャウ‥【評定始】

〘名〙 鎌倉・室町幕府で、毎年正月または将軍代始に初めて政務を評定する儀式
吾妻鏡‐延応二年(1240)正月一五日「評定始也、先々正月以後雖之、依彗星事此儀

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改訂新版 世界大百科事典 「評定始」の意味・わかりやすい解説

評定始 (ひょうじょうはじめ)

中世武家の儀式の一つ。毎年正月,また将軍代始などにあたり,将軍着座のもとで,管領および評定衆らが初めて政務を評定する儀式である。鎌倉幕府の評定衆は,執権のもとで政策を議し政務を担当する,元老らによって構成されていた。そして歳首恒例の評定始はおおむね正月の中旬に行われ,奉行折紙に記した神事等に関する3ヵ条の議案を披露し,これを将軍が一覧して点を加えたのち,酒盃を賜り三献の式を行うのがならわしであった。足利氏も鎌倉の例にならって評定衆を置き,政務を決裁させたが,幕府の職制としては定着をみなかった。そして応仁の乱後には有名無実となり,もっぱら儀礼的なものと化した。室町幕府歳首の評定始は正月11日を式日とし,将軍着座のもと,管領以下摂津,二階堂,波多野,町野氏らの評定衆が出仕し,右筆が御前へ参って祝詞を披露。その後管領,評定衆らが太刀を献じ,これに対して将軍からも太刀が下された。
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