言返(読み)いいかえす

精選版 日本国語大辞典 「言返」の意味・読み・例文・類語

いい‐かえ・す いひかへす【言返】

〘他サ五(四)〙
① 断わりを言って人や物を返す。
※宇津保(970‐999頃)菊の宴「兵衛いみじかりし事をみて、あはれにかなしと思ひて、かくいひかへす」
言葉を返す。
(イ) 逆らって言う。口答えする。抗弁する。反駁(はんばく)する。
落窪(10C後)四「おしはりての給はん事をいひかへすべき上達部(かんだちめ)もおはせず」
(ロ) 応答する。
③ 繰り返して言う。反復して言う。
※虎明本狂言・入間川(室町末‐近世初)「『今はわたりぜがかわって、かみへまわる程に、上へまわらせられい』いひかへして、このとをり渡らふと云て、からげてわたり」

いい‐かえし いひかへし【言返】

〘名〙 言い返すこと。言葉での仕返し。口答え。
狂言記止動方角(1730)「をのれは、最前のいひかへしにいひをるなあ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android