角鹿(読み)つのが

精選版 日本国語大辞典 「角鹿」の意味・読み・例文・類語

つのが【角鹿】

つるが(敦賀)」の古称。つぬが。
書紀(720)垂仁二年是歳(北野本訓)「御間城の天皇の世に額に角有(を)ひたる人、一の船に乗て、越の国の笥飯(けひ)の浦に泊(とま)れり。故、其処を号けて角鹿(ツノカ)(都怒餓)と曰ふ」

つぬが【角鹿】

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百科事典マイペディア 「角鹿」の意味・わかりやすい解説

角鹿【つぬが】

越前(えちぜん)国の敦賀(つるが)の古名。《古事記》仲哀段に,〈角鹿〉の仮宮にいた太子応神天皇)に気比(けひ)大神が奉ったイルカの血が臭かったために〈血浦(ちうら)〉といい,それが〈都奴賀〉になったとあり,《日本書紀》垂仁2年条の注に,垂仁天皇の時〈意富加羅国〉の王子〈都怒我阿羅斯等〉が〈笥飯(けひ)浦〉に来着したが,額に角があったので,この地を角鹿と称したとある。天平(729年―749年)の初期から角鹿・敦賀が混用され始め,やがて敦賀に統一された。

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世界大百科事典(旧版)内の角鹿の言及

【越前国】より

…現在の福井県のうち南西部の旧若狭国を除いた北東部を占める。
【古代】
 北陸地方は古くは(こし)(高志)とよばれ,越前に当たる地域には角鹿(つぬが)国造,三国国造がいた。越は蝦夷経営の前進基地としての政治的役割をもち,589年に阿倍臣を北陸道に遣わし越等の諸国の境を視察させている。…

【敦賀[市]】より

…北陸自動車道敦賀インターチェンジがある。【島田 正彦】
[歴史]
 古代には角鹿(つぬが)と呼ばれた。《日本書紀》に崇神天皇の時〈額(ぬか)に角おひたる人,一の船に乗りて,越の国の笥飯浦(けいのうら)に泊れり。…

※「角鹿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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