角館のお祭り(読み)かくのだてのおまつり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「角館のお祭り」の意味・わかりやすい解説

角館のお祭り
かくのだてのおまつり

秋田県仙北市角館の角館神明社と薬師堂の祭り。毎年 9月7~9日に行なわれている。角館神明社は 7日に宵宮祭例祭神事があり,翌 8日に神輿渡御となる。薬師堂は 8日に宵宮祭の法楽,9日に薬師瑠璃光如来御輿の渡御が行なわれる。この社寺の祭りに,角館の各町の若者たちが,歌舞伎題材とする人形飾りを施し,大太鼓,小太鼓,三味線などの囃子が乗る曳山 18基を引き回す。曳山は 7日の夕刻に角館神明社に参拝し,翌 8日に旧領主の佐竹北家(→佐竹氏)の上覧を受け,9日には薬師堂に参拝する。曳山が移動の途中で他町内の曳山と出会った際には,交渉員と呼ばれる係の者がどちらが道を譲るか話し合い,交渉がまとまらなければ互いの曳山をぶつけ合う「やまぶっつけ」となる。8日に観光客向けの観光やまぶっつけを行なうが,9日の薬師堂への参拝を終えると制約なく動くことが許されていることから,9日の夕刻には各所で「本番」と呼ばれるやまぶっつけが演じられる。1991年に「角館祭りのやま行事」として国の重要無形民俗文化財に指定され,2016年には「山・鉾・屋台行事」の一つとして国際連合教育科学文化機関 UNESCO世界無形遺産に登録された。

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