角せん石(読み)カクセンセキ

化学辞典 第2版 「角せん石」の解説

角せん石
カクセンセキ
amphibole, horn blende

X2~3Y5Z8O22(OH)2,X = Ca,Na,K,Mn,Fe2+,Mg,Y = Mg,Fe2+,Fe3+,Al,Ti,Mn,Cr,Li,Zn,Z = Si,Al.SiO4の四面体が結合して複鎖構造をなすイノケイ酸塩鉱物.陽イオン置換により複雑な固溶体をつくる.主要な造岩鉱物の一つ.塩基性変成岩に多く出現する.XとYが Mg2+,Fe3+,Al3+ などの小さい陽イオンで占められる場合は,斜方晶系(直せん石),大きな Fe2+,Mn2+,Ca2+,Na などで占められる場合は,単斜晶系(カルシウム角せん石,アルカリ角せん石,カミングトンせん石)となる.斜方晶系はZ = 4,空間群 Pnma,格子定数 a0 ≅ 1.86,b0 ≅ 1.80,c0 ≅ 0.53 nm.単斜晶系はZ = 2,空間群C 2/m,格子定数 a0 ≅ 0.98,b0 ≅ 1.80,c0 ≅ 0.53 nm.β~105°.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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