覿面(読み)テキメン

デジタル大辞泉 「覿面」の意味・読み・例文・類語

てき‐めん【×覿面】

[名・形動]《「覿」は見る意》
面と向かうこと。まのあたりに見ること。また、そのさま。転じて、まのあたり。目前
「―に死と相見ているものは、姑息に安んずることを好まない」〈鴎外青年
効果結果・報いなどが即座に現れること。また、そのさま。「覿面な薬の効果」「天罰覿面

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精選版 日本国語大辞典 「覿面」の意味・読み・例文・類語

てき‐めん【覿面】

〘名〙 (形動) (「覿」は見ること)
① まともに見ること。まのあたりに見ること。親しく見ること。また、そのさま。
※盤珪仏智弘済禅師御示聞書(1688‐1704頃)上「古徳一挨一拶は当機覿面に即問をふさいだ分の事で、別に用事なし」 〔景徳伝燈録‐七〕
② (転じて) まのあたり。まとも。目前。即座。また、面と向かってじかにするさま。
※天柱集(1348頃)自賛「長松樹下坐来時、覿面相看者是誰」
太平記(14C後)一一「此方より遮って愽多へ寄せて、覿面(テキメン)勝負を決せんと思ければ」
③ 目の前に著しい結果が現われること。ある事柄の効果や報いが即座に現われること。また、そのさま。
※俳諧・篗纑輪前集(1707)一「髭ぬくと歯に的面などく 迎酒とて上塗の四月酔〈未及〉」
※滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)下「夫れ見や、てきめんにばちが当たあ」

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普及版 字通 「覿面」の読み・字形・画数・意味

【覿面】てきめん

まのあたり。〔余叢考、三十一、覿面犯〕其の時(いみな)をくるの嚴なること、大此(かく)の如し。~故に酬接の時、亦た留せざるべからざるり。古人、門に入りてを問ふの禮以(ゆゑん)なり。

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