精選版 日本国語大辞典 「観」の意味・読み・例文・類語
かん クヮン【観】
〘名〙
① 外から見えること。また、見えたもの。外見。または、見えた時の感じ。様子。状態。ありさま。おもむき。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四「従来外国人の移住を禁し、其他自由交易に障礙を与へたる苛禁を蠲除してより、頓に其観を改めたりと云」
② (見る所であるところから) たかどの。ものみ。楼台。
※十巻本和名抄(934頃)三「観 釈名云観〈音貫 嵯峨有栖霞観〉於上観望也」
③ 道士なかまのいる建物。道宮。
※魚玄機(1915)〈森鴎外〉「道教に観(クヮン)があるのは、仏教に寺があるのと同じ事で」
④ 仏語。物事を細心に分別し、観察すること。また、心中で深くみきわめて、ものの本質を悟ること。
※栄花(1028‐92頃)玉のうてな「観無量寿経の十六の観思ひ出でられてよそへられ給」
⑤ 易の六十四卦の一つ。
※江戸繁昌記(1832‐36)初「二分四揲、観の否に之くに遇ふ」
かん‐・ずる クヮン‥【観】
〘他サ変〙 くゎん・ず 〘他サ変〙
① 仏語。心静かに対象を観察し、真実を悟る。
※性霊集‐二(835頃)沙門勝道歴山水瑩玄珠碑「観二花蔵於心海一、念二実相於眉山一」
※延慶本平家(1309‐10)二中「閑かに生死無常の哀傷を観じ給て」
② よくよく考える。心深く思い見る。
※御伽草子・物くさ太郎(室町末)「わが身をくはんじて思ふやう」
かん・じる クヮンじる【観】
〘他ザ上一〙 =かんずる(観)
かん‐・ず クヮン‥【観】
〘他サ変〙 ⇒かんずる(観)
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