親類書(読み)しんるいがき

精選版 日本国語大辞典 「親類書」の意味・読み・例文・類語

しんるい‐がき【親類書】

〘名〙 家族親類氏名本人との続き柄などを書き連ねた書類仕官婚姻などの際に提出、または交換された。
※俳諧・両吟一日千句(1679)第五「其三つ星屋月にそい物〈友雪〉 今こそあれ親類書にちばの介〈西鶴〉」

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デジタル大辞泉 「親類書」の意味・読み・例文・類語

しんるい‐がき【親類書(き)】

親族の氏名・経歴、本人との続き柄などを書き連ねた書類。縁組みなどのさいに用いられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「親類書」の意味・わかりやすい解説

親類書 (しんるいがき)

江戸時代,武士が家族・親類の氏名,仕官先,本人との続柄などを書き連ねた文書。一類付(いちるいづけ)などともいう。仕官,婚姻などのとき提出・交換された。江戸時代の大名は,戦国大名以来の家柄をもつ一部の外様大名を除き,大半が近世初頭以降急速に家臣団を拡大したが,自己の家臣団内部で拡大再生産できず,とくに譜代大名は家臣団が流動的で,たえず新規の仕官を必要とした。また,旗本も家臣に渡り者が多かった。仕官に当たり,親類書は先祖書と並んで身上書の役割を果たした。近世武家社会では,家が社会の単位であり,家どうしの結合関係・家柄が個人のそれよりも尊重され,大名は家臣をみずからの〈家中〉として統制するため,家臣の親類関係あるいは他藩との交流を把握する必要があった。諸藩ではしばしば一斉調査を行い,全家臣に親類書を提出させている。現存する親類書は,このように提出させたものを,諸藩がつづったものが多い。
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