親衛隊(読み)シンエイタイ

デジタル大辞泉 「親衛隊」の意味・読み・例文・類語

しんえい‐たい〔シンヱイ‐〕【親衛隊】

国王や国家元首などの身辺を護衛する部隊
常にある人に付き従って行動する人々。特に、芸能人をとりまく熱心なファン
ナチスの準軍事組織。1925年、ヒトラー護衛のために設立され、1929年以後はヒムラーもと警察権を掌握。占領地行政や強制収容所管理などを行った。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「親衛隊」の意味・読み・例文・類語

しんえい‐たい シンヱイ‥【親衛隊】

[1] 〘名〙
天子や国家元首などの身辺を護衛する軍隊
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四「是より繰練廨舎に入りて、那威の親衛隊、一小隊百余人の稽古を見る」
② 俗に、ある人の周囲にいて、常にその人につき従う一群。とりまき。
邯鄲(1950)〈三島由紀夫〉「あいつの親衛隊と来た日にゃあ」
[2] (Schutzstaffel の訳語) ナチス‐ドイツの特殊部隊。略称エス‐エス(SS)。一九二五年に本格的に組織され、元来はヒトラーを護衛する組織であったが、一九二九年以後ヒムラーの指揮下に警察権を掌握し、占領地行政・強制収容所運営などを行なった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

百科事典マイペディア 「親衛隊」の意味・わかりやすい解説

親衛隊【しんえいたい】

ドイツ語Schutzstaffelの訳。略称SS。1923年ヒトラーの身辺警護のため突撃隊から分離して創設。1934年以降,ヒムラーの指導下にナチス精鋭を集め,党の警察機関ゲシュタポ)として発展。後には軍に準ずる武装部隊となり,第2次大戦中は国内および占領地支配をささえる主要機構となった。
→関連項目アイヒマン強制収容所ナチズム

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「親衛隊」の解説

親衛隊
しんえいたい
Schutzstaffel

ナチスの組織の1つ。略称SS
1925年にヒトラーの身辺警護組織として編成されたが,29年以後ヒムラーが指導者となり,秘密警察として恐れられた。親衛隊は次第にその規模を拡大し,1945年には隊員数90万人を数えたともいう。組織も複雑化していったが,中核をなしたのは武装親衛隊で,強制収容所を管理した「髑髏隊」もこれに所属した。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「親衛隊」の解説

親衛隊(しんえいたい)

エス・エス(SS)

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「親衛隊」の意味・わかりやすい解説

親衛隊
しんえいたい

SS

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の親衛隊の言及

【第三帝国】より

…この時期には内政面では,財界,外務省,陸軍に残る保守派が重要ポストから排除され,ナチ党指導部の対外進出の構想に基づいた国内秩序の方向づけが基本的に貫徹する。また,レーム事件以来突撃隊に代わって台頭して来た親衛隊Schutzstaffeln(SSと略す)がヒムラーHeinrich Himmler(1900‐45)を頂点にして,国家秘密警察(ゲシュタポ)と強制収容所を管理し,民族裁判所も加わって法治主義が決定的にゆがめられる〈親衛隊国家〉が登場する。対外的には,38年3月の独墺合邦,同9月のミュンヘン会談を経て翌39年3月にかけてズデーテン地方の奪取とチェコスロバキアの解体,そして39年8月には,衝撃的な独ソ不可侵条約を成立させて東方の安全を確保したうえで,同9月,ポーランドに進入して,英仏両国の対独宣戦布告をひきだし,第2次世界大戦の口火を切る。…

※「親衛隊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android