朝日日本歴史人物事典 「覚法法親王」の解説
覚法法親王
生年:寛治5.12.29(1092.2.9)
平安後期の真言宗の僧。院政期の皇族出身密教僧の典型。白河天皇の第4子で,母は藤原賢子。仁和寺の実兄覚行法親王に幼少より学び,14歳で出家する。広沢流と小野流の秘伝をともに相承し,密教テクノロジーを駆使して天皇家内の諸事成就を祈願する大阿闍梨として各種の修法を営んだ。仁和寺第4世で,仁和御流の祖でもある。孔雀明王を主尊とする秘法「孔雀経法」を得意とし,保延5(1139)年5月,美福門院得子が出産の折,同法を修して皇子(のちの近衛天皇)出産に成功。同天皇や鳥羽上皇の病にも霊験を現したという。弟子に覚成,覚性,寛実などがある。
(正木晃)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報