覚書(外交用語)(読み)おぼえがき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「覚書(外交用語)」の意味・わかりやすい解説

覚書(外交用語)
おぼえがき

外交用語としての覚書は、メモランダムmemorandumとよばれ、国家間の外交交渉や国際会議での議事内容を議事要録として相手方に手渡す場合に用い、宛名(あてな)も署名もない略式のものをいう。しかし、問題になっている事態や主張に対して、自国の意思を相手方に通告する一方的文書も(通告)覚書とよばれ、駐在する自国の外交使節(大・公使)を経由して、相手国の政府(外務省)に伝達される。この場合は、自国の大・公使の署名を伴い、国家の正式な外交文書とされる。また、国家間の条約締結交渉にあたり、論題や内容を限定するための約束で、非公式ではあるがその約束に法律的効力を認める合意文書も、(了解)覚書とよばれる。

[經塚作太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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