視聴(読み)しちょう

精選版 日本国語大辞典 「視聴」の意味・読み・例文・類語

し‐ちょう ‥チャウ【視聴】

〘名〙
① (━する) 見ることと聞くこと。見たり聞いたりすること。また、その対象のもの。してい。聴視。
※本朝文粋(1060頃)三・鳥獣言語〈菅原淳茂〉「視聴希夷、一孔不以定者也」
山鹿語類(1665)二一「必竟視聴は耳目の用なれば、先づ耳目の威儀を正し、而して其の交接の人物事変に因って、視聴の法をただし理を窮め」 〔礼記‐曲礼上〕
② 目と耳。耳目(じもく)。してい。
※菅家文草(900頃)一・早春侍内宴、同賦無物不逢春「臣地是遊鈞、身同絋、視聴失所、豈敢多言
※海潮音(1905)〈上田敏訳〉序「近体新声の耳目に嫺はざるを以て、倉皇視聴を掩はむとする人々よ」
注意。注目。関心
野分(1907)〈夏目漱石〉五「人の視聴を惹くの結果われより苦痛が反射せぬ様」

し‐てい【視聴】

〘名〙 (「てい」は「聴」の漢音)
① =しちょう(視聴)①〔色葉字類抄(1177‐81)〕
小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上「器械のしかけによりて観者の視聴(シテイ)の官にうったふ」

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デジタル大辞泉 「視聴」の意味・読み・例文・類語

し‐ちょう〔‐チヤウ〕【視聴】

[名](スル)
見ることと聴くこと。聴視。
「予が―に入らざるものは絶無なりし」〈芥川開化殺人
注意や関心。「人々の視聴を引く」
[類語]聴視

し‐てい【視聴】

しちょう(視聴)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「視聴」の読み・字形・画数・意味

【視聴】しちよう(ちやう)

見聞きすること。耳目。〔国語、周語下〕夫(そ)れ君子は、目以て體を定め、足以て之れに從ふ。~其の君、會に在りて、聽、必ず皆(つみ)無くんば、則ち以てを知るべし。

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