精選版 日本国語大辞典 「規模・規摹」の意味・読み・例文・類語
き‐ぼ【規模・規摹】
〘名〙 (「規」は、円形をかく道具、コンパスのこと。「模」は、物の型のこと)
① 物の構え。結構。しくみ。また、全体の計画。企画。構想。きも。
※懐風藻(751)序「憲章法則、規摹弘遠、夐古以来、未二之有一也」
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二「またその近隣に至るまで、この工事を移し、規模(〈注〉ガカイ)悉く広大なり」 〔漢書‐高帝紀・下〕
※左経記‐長元五年(1032)五月四日「当朝以二保憲一為二陰陽基摸一、何以彼抄為二謬説一乎」
※日葡辞書(1603‐04)「コレ ワガ イエノ qibonari(キボナリ)」
④ 眼目。重要な点。
※申楽談儀(1430)能書く様、その三「松が崎の能に、松が咲きけりと云言葉、此松が崎の能にきほなれば」
※浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)三「父の苗字を賜はれば、勘助が身の規模は立つ」
⑥ ききめ。甲斐(かい)。効果。多く「きぼがある(ない)」の形で用いる。
※日葡辞書(1603‐04)「ソレガシ コレマデ サンジタ qibomo(キボモ) ナイ」
※歌舞伎・𢅻雑石尊贐(1823)序幕「それでおれも口をきいた規模(キボ)がある」
⑦ 報い。代償。また、返礼。
※歌舞伎・桜姫東文章(1817)五幕「世帯道具の二人が温袍(どてら)、身ぐるみ出して丸裸、一切おれに渡したら、それを規模(キボ)に済ませてやらうワ」
⑧ 根拠。証拠。よりどころとなるもの。
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