見逃・見遁(読み)みのがす

精選版 日本国語大辞典 「見逃・見遁」の意味・読み・例文・類語

み‐のが・す【見逃・見遁】

〘他サ五(四)〙
① よくないことを見ていてとがめない。見て見ないふりをする。大目にみる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
評判記色道大鏡(1678)一八「人の親たる者は、たとひ悪性ありといへども、子をおもふ因果尽ずして、百を十と聞十を一とおもふが故に、すこしは見のがし」
② 見ていながら気づかないでそのままにする。見落とす。〔日葡辞書(1603‐04)〕
舞踏会(1920)〈芥川龍之介〉一「その老獪らしい顔の何処かに、一瞬間無邪気な驚嘆の色が去来したのを見(ミ)のがさなかった」
③ それに対処することなくすます。見ないままで過ごす。
歌舞伎小袖曾我薊色縫十六夜清心)(1859)序幕「かうなる上からは、どふ見のがして行れませう」

み‐のがし【見逃・見遁】

〘名〙
① 見ていても、とがめないこと。
浄瑠璃・松風村雨束帯鑑(1707頃)三「りんげんなれば、見のがしには成申さぬ」
相手への攻撃チャンスに対処することなくすますこと。
東京の孤独(1959)〈井上友一郎栄光の影に「ツウ・スリーになっちゃうと、バット振らずに見逃しの三振ばっかりするンでしょう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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