覆盆（読み）ふくぼん

精選版 日本国語大辞典

ふく‐ぼん【覆盆】

〘名〙

① 盆をひっくりかえすこと。盆を伏せること。

※花柳春話（1878‐79）〈織田純一郎訳〉六〇「事既に茲に至れり、所謂覆盆(フクボン)の水を如何せん」

② (「覆水盆にかえらず」の故事から) 道理を知らないこと。

※性霊集‐三（835頃）奉謝賜綿兼詩々「日与月与丹誠尽、覆瓫今見堯日寛」

③ (伏せた盆の中が暗いというところから) 冤罪を蒙ること。無実の罪に問われること。〔布令字弁（1868‐72）〕 〔李白‐贈宣城趙太守悦詩〕

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【覆盆】ふくぼん

伏せた盆。〔抱朴子、弁問〕日も照らさざるり、人も知らざるり。～人の爲さざるを以て、(すなは)ち天下に仙無しと云ふは、是れ三光、のを照らさざるを責むるなり。

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出典　平凡社「普及版 字通」