西村太郎右衛門(読み)にしむら・たろうえもん

朝日日本歴史人物事典 「西村太郎右衛門」の解説

西村太郎右衛門

生年生没年不詳
江戸前期の貿易商人。屋号安南屋。近江国蒲生郡八幡町(滋賀県近江八幡市)出身。木綿商初代喜右衛門の子。寛永年間(1624~44),朱印船乗組員として安南国(ベトナム)へ渡航。同地の日本町に居住し,巨利を博したといわれる。日本への帰国をはかったが,江戸幕府による鎖国令発令のため果たせず,異国の地で客死した。正保4(1647)年3月吉日付の貿易船絵馬一面が,太郎右衛門より八幡町日牟礼神社へ献納されている。現在では,この絵馬のみが同人の活躍を伝えている。なお,この絵馬は明治40(1907)年5月27日,国宝に指定されている。<参考文献>川島元次郎『朱印船貿易史』

(岩崎義則)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「西村太郎右衛門」の解説

西村太郎右衛門 にしむら-たろうえもん

1603-1651 江戸時代前期の貿易商。
慶長8年生まれ。近江(おうみ)(滋賀県)の人。朱印船の船員として安南(ベトナム)に渡航。鎖国令のため帰国を断念し,絵馬を郷里の日牟礼(ひむれ)八幡宮に奉納した。絵馬の奉納銘には正保(しょうほ)4年(1647)の年記がある。慶安4年2月10日死去。49歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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